ネコが好きです。
ミャーミャー鳴く、あの猫です。
わたくし、3度のご飯よりもネコを愛しています。
目の中に入れたらさすがに痛いですが、自分のご飯を8分の1くらいならエサとして差し出してもいいかな、と思うくらい好きです。
むしろ、人参とかトマトだったら、全てをネコ氏に捧げても後悔はありません。
しかし、この世は世知辛い。
わたくしはこんなにもネコちゃんのことを愛しているに、どうやらネコは私のことを嫌いのようです。
そんじょそこらのキライじゃなくて、なんかもう、毛嫌いされているのです。
わたくしがネコちゃんに近づこうとすると、「近寄るな!」と言わんばかりに、物凄い勢いで逃走されてしまいます。
さっきまで、ゴロニャンニャンゴロとくつろいでいたのに、我が姿を視界に捉えると、本気のマッハのBダッシュで逃げていくのです。
インターネットで「ネコに好かれるコツ」を調べてみたら、
「ネコを無視することが出来る者が勝者となる」
との記事を発見しました。
ネコに対して無関心でいると、ネコ殿は「この人間は人畜無害だニャン」と判断をくだし、向こうからすりよってくる、とのこと。
平たくいうと「放置プレイで逆に気を引け!」ということみたいです、
なるほど、メモメモ。
必勝法を知ったわたくしは、散歩中に見つけた野良猫に無関心を装い、目をあわさないようにしつつ、でも視界のすみっこにネコを捕らえながらそっと近づいてみました。
――すると!
…………
うん。
普通に逃げられたよ?
だめじゃん、必勝法。ぜんぜん役に立たない。
どうなってるんだ、責任者を呼べい!
わたくしの、余りあまるネコ好きオーラは、壮大すぎてとてもじゃないけど隠し切れなかったということでしょうか。
それとも、ネコににじり寄る際に、右手と右足が一緒に出ていたのが不自然だったからでしょうか。
くやしい、キィ。
超必殺技「能動放置プレイ」を見透かすとは。ネコめえええ、ネコめええええ。
でもまあ、逃げていく様も可愛いので仕方ないかなと思います。
所詮、惚れたほうの負けなのです。
わたくしは、更なる雄大な愛で、逃走を図るネコを見守ろうと思います。
……でも、やっぱり触りたい(泣)