石油王から油田の譲渡 【誕生 石油姫】

石油王を助ける必要がある。
できるだけ、早急に。迅速に。

例えば名古屋の街でサイフをなくし、困ってしまった石油王が街角で右往左往していたとする。

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わたくしは、彼に「どうしたのですか?」と優しく声をかける。
日本に来て、初めて優しくされた石油王は、涙ながらに自分の状況を話す。
「ジツハ サイフ オトシタ ドコニモ イケナイ ノド カワイタ マンジュウ コワイ」
そこで、わたくしは出来る限りの助力をして、華麗に立ち去る。

後日、探偵を使いわたくしの居所を突き止めた石油王は、彼の持つ油田の一つを私に譲渡しようとする。
「コレハ ホンノ オレイ デス」
「ええ、困ります。私、そんなつもりじゃなかったんです」
「イエイエ タダノ ユデン デスカラ オキガルニ ウケトッテ」
「困ります」
「ユデン アゲル」
「困ります」
「ユデン プレゼント」
「はい、そこまで仰るのなら……」

あまりにも熱心な世紀王の熱意に心を打たれ、わたくしはしぶしぶ油田を受け取った。
これで今日から、石油姫だ。
石油の海で泳ぎ、石油の川で戯れる、誰しもが憧れる石油ロードを歩く人生のはじまり。

だが、石油は地球の宝だ。
決して無駄にしてはいけない、有効に使わなければならない。
わたくしは、今、成長する必要がある。
立派な石油姫として人々のお役に立てるように、がんばります。ありがとう、石油王――。

【今日の中の人】
部屋の石油ファンヒーターの灯油が切れたのだが、買いにいくのが面倒だし、財布にお金ないし、銀行にお金おろしに行くのも面倒だし、外出の為に着替えるのも面倒。
でも、灯油がないと寒い。泣きたい。
そういや、灯油と石油って何が違うんだろう? 良く分かんないけど、油田が欲しいナァ~、油田があれば、灯油買いに行かなくてもいいんじゃないかな? あれ、名案!? アハハン、そうだ、石油王を助ければ、お礼に油田の一つや二つ、ポーンとプレゼントしてくれるんじゃね? こ、これだ!

 

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